ニュース解説バトル ~阪大秋の陣~




 今回のまちかね祭で、新しい発見をするというテーマのもと阪大ブックカフェにて3つの企画を行いました。
 その中のひとつである「ニュース解説バトル ~阪大秋の陣~」では、5人のゲストが10分のプレゼンでニュースを解説し、聴衆の方々にどの解説が最も面白かったのかを投票していただきました。


天下の阪大の先生や院生によるニュースの解説バトルは、接戦に継ぐ接戦の熱い戦いでした。



01. 大西好宣先生(大阪大学インターナショナルカレッジ教授)
大西好宣先生
 大西先生は尼崎連続変死事件について、ポル・ポトのカンボジア大虐殺をはじめとする世界で起きた虐殺事件との類似点をあげて、その犯罪心理を解説されました。国連職員として務められた時の経験から、凶悪事件への日本でありがちなメディアや民衆の反応に対して、西洋的な事件の捉え方を例に上げ、「ニュースを自分の先入観やメディアの一般論などとは異なる視点から見て欲しい」というメッセージをいただきました。



02. 菊池誠先生(大阪大学サイバーメディアセンター教授)
菊池誠先生
 菊池先生は、「青森県十和田市で採れたチチタケから基準値を超えるセシウムが検出された」という、当日のデイリー東北新聞社の記事について解説されました。かねてから原子力発電所に対して色々な主張をされていたので、プレゼンの際様々なデータを引用し多角的に『なぜ数値が高く検出されたのか』を分析・説明され、ただ「数値が高い」=「悪い、危険だ」という刷り込みを一新してくださいました。



03. 瀬戸山晃一先生(大阪大学国際教育交流センター准教授)
瀬戸山 晃一先生
 瀬戸山先生はノーベル医学賞の受賞で話題となったiPS細胞について解説されました。遺伝子技術の発展により、自分の遺伝体質をチェックすることで相性のあう異性を探すことや、子供の将来を調査できる、といった可能性が広がると同時に、検査結果を利用した差別が起こりうるだろうということは大変興味深い話でした。特に、遺伝子検査が今後、血液占いと似たような感覚で行われるだろうということは、考えたこともない話しだったので驚きました。



04. 篠原厚先生(大阪大学大学院理学研究科教授)
篠原厚先生
 篠原先生は、日本が目下ロシアと競争している113番の新元素の命名権について解説されました。1秒間に2.5兆個の亜鉛ビームを80日間照査して続けてやっと合成できるという113番元素の作成方法や新元素発見の意義も教えていただき、かねてから不思議に思っていた新元素を作るのにどうして仰々しい準備や多額の資金がいるのかという疑問が解消されました。



05. 森知晴さん(大阪大学大学院経済学研究科博士課程2年)
森知晴さん
 森さんは2012年の上半期に話題になった某お笑い芸人の母親の生活保護受給のニュースを元に、生活保護の人々の現状と今後について経済学の観点から解説されました。
生活保護の現状のお話から始まりリーマン・ショックや派遣切りから起こった経済的な問題と経済学者が提案した対応策について説明していただき、生活保護に対してあったマイナスな印象が変わりました。




接戦を制したのは、尼崎連続変死事件について解説された大西先生でした。
 大西先生からは、「知識量はインターネットに敵わないが、知識を結びつけるのはヒトにしか持ち得ないものなので、その力を鍛えて欲しい。雑多な知識を結びつけることからトレーニングを初めてはいかがだろうか?」というコメントをいただきました。


ニュースチャンプ大西先生


 今回、ニュース解説バトルの司会を務めさせていただき、テレビやインターネット上の動画などの画面を介したものではなく、専門家の方々の解説を目の前で、生の声で聞くことができて非常に良かったです。また、先生方に臆することなく学生が堂々と発表している姿を見て良い刺激にもなりました。在学中にしか聞くことができない専門家の話ですので、またの機会には政治関連や景気に関する経済の解説も聞いてみたいと思いました。



文:クロカワ/理学部B2
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