その血を追え!


街や大学で見かける献血バス。
献血ルームへの呼びかけも聞くと思います。
でも献血した血液はいったいどこでどうなるのでしょう?
私たちの腕から患者さんの体まで、血液がたどる道を追跡してみました。




1.受付 ――嘘だめ絶対
いざ献血! と勇んでも事前にすることがあります。
たくさんの項目からなる問診票と医師による問診で体調を確認してから、少しだけ採血をして血液型の簡易検査とヘモグロビンの濃度を測定します。これで献血の基準を満たしているかどうかを調べます。二重三重に確認するのは、安全と責任ある献血のためです。すべて献血者と輸血を受ける患者さんを守るためなのだから、問診の際、嘘はいけませんよ!

2.採血 ――無理は禁物!
医師にGOサインを貰ったら早速採血!
献血には二種類あって、全血献血は10~15分、成分献血は採血量に応じて40~90分ほどの時間がかかります。
採血が終わったら水分補給してしっかり休む。これ結構大事です。


☆ 二つの献血:どう違う?

・全血献血
血液全部をまとめて200mLまたは400mL採血するもの。白血球を
除去して赤血球製剤と血漿製剤に調整します。ドラマなどで見かける
赤い血液バッグはこの赤血球製剤です。

・成分献血
成分採血装置を用いて必要な成分だけを取り出しながら採血した
もので、高濃度の血小板製剤などをつくることができます。



3.検査 ――選ばれしものたち
献血された血液は、一度全国7つのブロック血液センターに集められ、安全性を確保するために様々な検査を受けます。血液型検査やHLA検査、感染症予防のための抗原抗体検査に加えてさらに全国4カ所でしか行えない核酸増幅検査(NAT)などなど。中には数日で使えなくなる製剤もあるので、スピード勝負。検査をオールクリアした選ばれし血液だけが患者さんの元に届けられます。

!!!  エイズ(HIV)検査目的の献血はおことわり !!!
一部感染症は感染初期では検査で検出できないため、この時期に検査をすり抜けた血液が患者さんに輸血されると、患者さんにウイルスが感染してしまう恐れがあります。
感染症検査目的の献血は絶対にやめてください。


4.製剤 ――念には念を
血液はいくつかの成分からなっていますが、今日では必要な成分のみを血液製剤にしてから輸血するのが主流となっています。そして、すべての輸血用血液製剤は、白血球に起因する発熱反応や感染症などの副作用を減少させることを目的に、保存前に白血球を除去した製剤となっています。
さらに、その製剤に放射線を照射し、混在するリンパ球の機能を不活化させるなど、患者さんの安全のために念には念を入れているのです。
ちなみに、献血に使う採血バッグはひとりひとり使い捨て。
すべての行程で必要なバッグや部品は始めから全部チューブでつながっていて、血液が外に漏れ出すこともなく、何も外から混入できないようになっているのです。



5.保管・分配 ――地域差をなくす
血液製剤は、ブロックの血液センターから地域の血液センターに分配され、医療機関から発注があるまで専用冷蔵庫や専用冷凍庫等で保管されます。このブロックによる一括管理が全国一律の合理的で効率的な供給を可能にしているのです。



6.患者さんの元へ ――つなぐ命のリレー
医療機関でもまた、血液センターから配送された血液を患者さん輸血していいかの適合試験を行います。
様々な関門を突破した安全な血液は患者さんに輸血され、白血病などの血液関連疾患をはじめ、さまざまな疾患や病態の治療に用いられます。
献血された血液はたくさんの人の手によって患者さんのところまで届けられるのです。
命のギフトの送り主に、あなたもなってみませんか?



日本赤十字社からの一押しポイント:
献血者への感謝をこめて、希望者には生化学検査と血球計数検査の検査結果を通知しています。
健康管理にぜひお役立てください♪





「 ホントに若者が少ないの? 」
 献血者の約50%である30~49歳の方々は、10代20代の頃から継続して献血をされてるらしいよ。若いうちに一度経験しておくと、その後も気軽に足を運べるのかも。
 でもね、今の16~29歳の献血者はなんと25.8%しかいないんだって!
 今後の献血者の確保が心配されているのね……。


「 なんで200mLより400mLを勧められるの? 」
 輸血も立派な臓器移植。輸血を受ける患者さんにとって、身体に迎え入れる組織の種類は少ない方がいいのね。
 同じ800mLの輸血でも、200mLを4人分より、400mLを2人分の方が患者さんの負担が少ないんだよ。


「 稀血(まれけつ)って何? 」
 出現頻度が1%以下の希少な血液型のこと。その希少さから同じ血液型の輸血を必要とする患者さんに必要な血液が確保できるよう、献血登録者になってもらう制度があるんだ。
 テレビや漫画で見かけるバーディーバー(-D-)や ボンベイ型もこの稀血の一種なのよ。


「 献血量は季節で差があるってホント? 」
 日本赤十字社は医療機関の血液需要を見て献血を募集しているのね。通年の需要は大体同じくらいなのに対して、献血者数は変動するの。バテやすく体力が低下する夏や風邪をひいたり厚着で腕を出しにくい冬はどうしても減るみたい。
 血液は長期保存できないんだ。だから、これらの減少期にこそ献血してみよう!


「 そもそもなんで献血が必要なの? 」
 血液は全身を巡って酸素や栄養を供給したり、感染症から体を守ったり、生きていく上で必要な様々な機能を持つ組織なのね。でも人工的には作ることができないので、病気や怪我の治療で血液を必要とする患者さんたちは、外部から血液を補給する輸血に頼らざるをえないのよ。だから輸血は献血者の協力がないとできないのね。


「 なるほどそうだったんだね !
日本赤十字社のHPでも色々詳しく教えてもらえるから、気になったことは調べてみよう! 」

取材協力:日本赤十字社 近畿ブロック血液センター
文・絵:タバタ/医学部
 login