激闘!書面ビブリオ!

激闘!書面ビブリオ!!
阪大で一番熱いバトル、それはビブリオバトル!
5分の持ち時間で、おすすめの本をいかに魅力的にプレゼンできるかを競うこのバトルが、今回もスコレ紙面に登場!

と、その前に…
☆★☆ 前号のチャンプ本 ☆★☆
やまね さん が紹介された、
『ハサミ男』
(著:殊能 将之 講談社文庫)
でした!
おめでとうございます!

それでは気を取り直して
この度は阪大教授陣を大召還!阪大教授陣3名を含む、豪華バトルをご堪能あれ!!

気になる結果は次号で! →コチラ

『だいたい四国八十八ヶ所』 著:宮田珠己 本の雑誌社
我らが大阪大学はあまた人材を輩出しているが、偉大にゆるおもろい紀行文作家も産みだしていることをご存じであろうか?千里ニュータウン出身、阪大工学部土木工学科卒、「日本でもっとも妙なことにこだわる男」宮田珠己こそがその人である。処女作「旅の理不尽アジア悶絶編」では、自らが生み出したとしか思えない理不尽に悶絶し、名作「晴れた日は巨大仏を見に」では、全国各地の巨大仏を見て回っては勝手にその無意味さにあきれはてたタマキング宮田氏。満を持して執筆したのがこの本である。お遍路というのは願をかけながらできるだけ完璧を期すようなものであるが、旅の達人は違う。どこまでいっても「だいたい」なのである。吉本新喜劇の霊が憑依したかのように、道中、岡八郎の「どっからでもかかってきなさい」精神と、チャーリー浜の「あぁりませんか」精神と、池乃めだかの「今日はこれぐらいにしといたろ」精神が、三位一体となっていかんなく発揮される。あまりのすばらしい筆さばきに、お遍路に行った気になってしまい、これならわざわざ行かんでもええかもしれんと思ってしまえるくらいにすばらしい本なのである。

(バトラープロフィール)

仲野徹
仲野徹
大阪大学大学院生命機能研究科/医学系研究科 教授
2011年のビブリオバトル@まちかね祭のチャンプ。

『幸福の計算式』 著:ニック・ポータヴィー 訳:阿部直子 阪急コミュニケーションズ
あなたが大学院生だったとしよう。「死と幸福について研究しないか」と、指導教授が提案してきたらどうするだろうか。死を金銭で評価するなんて、ひどいことだ、と思うだろう。著者のニック・ポータヴィー氏は、ロンドン大学の研究員だったとき、元指導教授のウォーリック大学のオズワルド教授から、そう提案された。ネガティブな反響を想像した上で、「かまうもんですか、やってみましょう!」が彼の返事だった。幸福度は、「あなたはどの程度幸福ですか?」という質問に、5段階や10段階で答えるという調査で測られることが多い。幸福感なんて人によって違うから、そういう方法で測られた幸福度なんて意味がないと思う人が多いだろう。しかし、様々な国で、幸福度と所得、年齢、配偶関係、健康などの間には安定的な関係があることが研究で明らかにされてきた。幸福度の決定要因が分かれば、結婚しているか否かで幸福度が同じになるような金銭所得の大きさも計算できる。英国だと年間47万円だ。結婚の幸福感がどの程度続くかということも明らかにされている。この分野の現状を、厳密さを失わず、日常の言語で説明しているし、幸福の経済学の政策的な意味もよく分かる。

(バトラープロフィール)

大竹文雄
大竹文雄
大阪大学社会経済研究所 教授
2010年のビブリオバトル@まちかね祭のチャンプ。

『ダールグレン』 著:サミュエル・R・ディレイニー 訳:大久保譲 国書刊行会
かつて”Time enough for Dhalgren.”とまで言われた長大で難解なSF小説。かつて、洋書でSFを読む人ならたいてい書棚にこの本のペーパーバックがあった。なぜなら、あまりに厚くて表紙絵がそのまま本の背にも印刷されていたからだ。かっこいい。「読んだの?」と尋ねられると「読めるわけない」と答えるしきたりになっていた。あるとき、まだ大学生だった山形浩生が「ダルグレン(当時は伸ばさなかった)を読んだけど、詰まらなかった」と言い放つのを聞いて、そうかダルグレンは普通の人にも読める小説なのかと思った。読めるのなら読んでみる、なぜならそこに山があるからだ。いや、実は今となっては、「ダールグレン」など厚くもなければ長くもない。洋書屋でペーパーバックの棚を覗いてみれば、「ダールグレン」の何倍もあろうかという本が並んでいる。時の流れとはそういうものだ。僕はこの作品を原書で二度読んだ。翻訳は読んでいない。一生に三度も「ダールグレン」を読むほど人生は長くない。未読のあなたは、70年代SFが生んだメタフィクションの傑作を一読くらいしてみるべきだ。ちなみに、災害後の崩壊した都市を舞台にしたこの物語の筋は『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』とだいたい同じである。違うのは主人公がセックスしてばかりいるところで、相手は男だったり女だったりする・・・・・・のだったような気がする。違うかもしれない。

(バトラープロフィール)

菊池誠
菊池誠
大阪大学サイバーメディアセンター 教授
第8回ビブリオバトル優勝。第27回ビブリオバトル優勝。

『サルの百科 (動物百科)』 著:杉山幸丸 他 データハウス
今日ご紹介する本は『サルの百科』です。ご心配には及びません。ただの図鑑ではありません。
まず、持ち歩けるサイズのA5版!ハードカバーでしっかりとした装丁ながらも、240ページ弱のコンパクトサイズ。いつでもあなたのカバンに忍ばせて、お好きなときにお好きなサルを調べることができます。
そして、なんと全ページフルカラー!マイナーな種は白黒、なんてことはありません。すべての種がフルカラー、そしてとっても素敵な写真付きで紹介されています!
もちろん専門家による執筆。約200種いる霊長類のうちの75種の行動や生態が詳細にわかります。
私は気が向いたときにおみくじのようにこの図鑑を開き、開いたページのサルによって今日の運勢をはかります。お気に入りのサルが出てきた日はラッキーDAY!
あなたもぜひ、この本でお気に入りのサルを見つけてみてください!

(バトラープロフィール)

鋤納 有実子
鋤納 有実子
大阪大学大学院人間科学研究科比較行動学研究分野博士前期課程2年
おさるの研究者。

いずれ劣らぬ4つの書評、
あなたはどの本が読みたくなっただろうか。
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