ビブリオ報告。


毎月行われている阪大ビブリオバトル。
おなじみの開放型セミナー室から総合図書館まで、白熱した模様をお伝えします。
 

MAY

 五月病などと揶揄される月のビブリオバトルの開催であったが、新入生、新入社員による春らしいフレッシュさのあふれる発表をきくことができた。

 1人目の発表者は、今年の4月から紀伊国屋書店で働いている山下さん。社会人になり、敬語を使う機会が増えたことから、「なんで敬語を使わなければならないの?」という疑問を持ち、『ちゃんと話すための敬語の本』を手に取ったとのこと。プレッシャーのかかる1人目の発表であったが、そこはさすが社会人。5分間、落ち着いて分かりやすく本を紹介する姿が印象的だった。

 2人目の発表者は、今年の4月に大阪大学に入学した物理学科1回生の石川さん。「どうして鉛筆で文字を書けるのか」「どうして冷房は部屋を冷やせるのか」など、身近な疑問に物理学で答える『知っておきたい物理の疑問55』という本を紹介してくれた。1人目の山下さんとは対照的に、新入生らしく気持ちを込めて、物理の楽しさ、面白さを熱弁してくれた。

 さて、紙面の都合上2人に絞って紹介したが、今回のバトラーは5人で、見事チャンプに輝いたのは山下さんを含む紀伊国屋書店の社員さん2人。社会人の教養とプレゼン力には、学生の私たちはまだまだ及ばなかったのだろうか。文系と理系、社会人と学生など、普段接する機会の少ない人たちが集った今回のビブリオバトルのように、参加者が多様であればあるほど、面白いイベントになると思う。

ビブリオバトル@スチューデント・コモンズ 開放型セミナー室 …… ’12.05.14
文:ヤマツ/人間科学部B3

 

JUNE

 本の力というのはすごいもので、暴風が吹いていようが、大雨が降っていようが部屋の中で本を開けばいつだって静かな読書の時間を生み出してくれる。6月のビブリオバトルは、台風が過ぎ去った直後の梅雨の大雨の中、比較的ひっそりと行われた。

 4人目の発表者の新田さんが紹介したのは遠藤周作の『海と毒薬』。戦時中の大学病院で行われた人間を被験者とする臨床実験を中心に「日本人的な行動」が描かれているそうである。人体解剖に参加するのが当然という雰囲気の中で、参加を断れなかったという点などは確かにやってしまいがちな日本人的行動だなぁ、と思わされる。

 今回のチャンプ本に選ばれたのは堀部さんの紹介した漫画『童夢』。簡単に言うと、超能力を持った少女と、殺人を行う老人の戦いの話である。非常に画面構成が独特で、また文字が少なく絵は細かい線で描かれていて、若干不気味ではあるが読み進めたくなるような雰囲気を醸し出していた。

 ところで、ここまで読むと「なんか雨の中行われて、しかも発表された本も少しネガティブなものが多いし、ちょっと暗い雰囲気だったんじゃないの」と感じられたかもしれない。実際は、秦さんの高校生の青春数学劇『数学ガール』紹介があったりと、いつも通りの和やかなビブリオバトルであったと思う。しかし、もし仮に暗い雰囲気になったとしても、それもまた本の持つ力ということで、それはそれでアリなのではないだろうか。

ビブリオバトル@スチューデント・コモンズ 開放型セミナー室 …… ’12.06.21
文:アマノ/基礎工学部B1

 

JULY

 大阪大学総合図書館内のラーニングコモンズで行われた7月のビブリオバトルは、いつもよりも開放感あふれる場所での開催となり、通りすがりの多くの人に参加してもらうことができた。 発表の内容も学生の興味をひくようなものが多かった。

 図書館の職員である久保山さんが発表した『ロジカル面接術』は就職活動などにおける面接やプレゼンでの自己PRを上手くまとめる方法が紹介されている。本の主題が学生にとって身近であるだけでなく、図書館職員らしく分かりやすい本の解説が加わり聞き手の興味がかきたてていたように思われた。

 今回チャンプ本に輝いたのは飯島さんが紹介した『地域を変えるデザイン』。神戸が’95年に体験した震災関連を含む様々な社会課題を解決するためのデザインの例がまとめられている。プロのデザイナーだけでなく、一般の人が考えたアイディアも掲載されており、デザイナーの生み出す凝ったものでなくても、アイディア次第では上手くいくということが分かる内容であった。

 他にも、山津さん曰く「デタラメな社会調査や統計とは違う」調査について書かれている『現代日本人の意識構造』。生徒にウケることを狙った最近の給食に対する批判を書いた『もっと変な給食』は新田さんが紹介した。今回の発表は本当にどれも面白そうなものであった。紹介する本をその場で借りてきて発表する方がいたりと、ビブリオバトル@図書館はいい雰囲気の中成功を収めたのではないかと思う。

ビブリオバトル@総合図書館 2F ラーニング・コモンズ …… ’12.07.17
文:アマノ/基礎工学部B1

 

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